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リッカルド・ムーティ指揮 シカゴ交響楽団



マエストロ・リッカルド・ムーティがシカゴ響音楽監督に就任して初めての来日公演に行って来ました。会場もマエストロ含む幹部からのリクエストで東京文化会館ということで、本拠地シカゴ・シンフォニーセンターとかなり近い音響になったと思います。サントリーホールだったら鳴りすぎだったことでしょう。(楽友協会での公演なんてすごかっただろうなぁ)それだけシカゴ伝統の金管は冴え渡っていました。

特に2日目、プロコフィエフの後のヒンデミットでブラスが増強された時の音の激しさったらなかったですよ。この日はわたしは平土間中央やや後方で聴いていましたが、鼓膜にビンビン響くほど。上階でもすごい音がしていたそうです。鳴らせばいいということではもちろんなく、その正確さ(特にホルンの弱音)にも唸りました。
後半のチャイコフスキー4番、冒頭の天に刺さるようなホルンの咆哮でぐっと世界に引き込まれ、3楽章の弦チームの繊細で立体的なピチカートに聞き惚れ、終楽章の疾走感に身を任せる、というこの上ない至福感。
初日のベートーヴェン5番終楽章でのテンポアップにも驚いたのですが(そこまではかなり安全運転な感が)、チャイ4も同じ感じで最後にかなり突っ走った印象でした。ひとつの曇りも見せず軽々と弾きこなしてるオケの実力を見せつけられ、今のアメリカのオケでナンバーワンというのも納得です。

マエストロ・ムーティの指揮はやはりところどころ歌心を感じさせる音作り。マーラー1番は起伏に富んだ演奏で、途中でヴェルディを聴いているような気になったし、チャイコも歌う歌う。オペラではないのに、とてもドラマチックにも思えました。

70代半ばという年齢を感じさせない機敏な動き(ジャンプ多し)は、素人目にもどういう音を要求しているのかがよくわかり、その音が実際にぴたっと来た時の気持ち良さもさすが。見て良し聴いて良しの演奏会でした。いや、本当にすごい二日間だった。

マエストロのシカゴ響任期は2020年までですが、それまでにぜひもう一度来日していただきたいです。
2016.01.21 Thursday 17:33 | - | trackbacks(0) | Music | このエントリーを含むはてなブックマーク|

2015年 音楽振り返り

昨年まではベスト5と銘打って記事を上げていましたが、今年は本当にたくさんの素晴らしい演奏や舞台にめぐり逢えたので、ざっと振り返りと言う形を取ることにします。

《オーケストラ》
3月に本拠地で聴いたムーティ指揮シカゴ交響楽団。これは本拠地で聴くということの意味を痛感した演奏でした。シカゴ・シンフォニーセンターは天井も高く、決して計算された音響環境ではないのですが、ここで聴いた演奏こそがCSOである、と実感できました。来日公演が環境が似ている東京文化会館なのも納得です。
同じく3月、今が旬のドゥダメル指揮ロサンジゼルス・フィルハーモニックのマーラー6番も楽しかった。
8月のザルツブルク音楽祭。ここではなんと言ってもムーティ指揮ウィーンフィルの美しいブラームス交響曲2番と、ムターの超高速チャイコンが色んな意味で忘れられない思い出に。
9月はN響主席指揮者に就任したパーヴォ・ヤルヴィのマーラー2番が新しいN響のスタイルを見せてくれました。

《室内楽》
2年ぶりに聴いたアントニオ・メネセスさんとマリア・ジョアン・ピリスさんのデュオリサイタル。いつ聴いても安心してゆったりした気持ちになる大好きなお二人の演奏を、この秋は2回も聴く事が出来ました。

《声楽》
4月のヴィットリオ・グリゴーロと6月のヨナス・カウフマンのリサイタル。カウフマンは日程の都合で大阪まで遠征しましたが、「冬の旅」良かったです。これを逃したら生ヨナスは一生聴けないかも…と思い詰めての遠征でしたが、その数ヶ月後あっさりと全幕版のオペラを見る機会に恵まれたのはご愛嬌。

《オペラ》
この項目はどこから書いていいのかわからないほど恵まれた年でした。
3月NY遠征で見た「ドン・ジョヴァンニ」。これはご贔屓二人(マッテイ+ピサローニ)が主従コンビという夢のキャスティングの実現でした。これがもう一回見られるならわたしはまたどこへでも飛んで行くことでしょう。
同じ週に見た「湖上の美人」も歌手それぞれが素晴らしく、現在考えられる最高のキャスティングで聴けたことは本当に幸運でした。
8月のザルツブルク音楽祭は今年のハイライト。毎日こんなに楽しくていいのか!?と思う日々でした。ここで見た「フィガロの結婚」は素敵な演出もさることながら、エッティンガーの指揮と解釈に唸りました。ピサローニさんの伯爵役のハマりっぷりと彼の愛犬トリスタンの出演が見られたことも遠征冥利につきました。
不思議な演出はともかくとして、途中演奏される「レオノーレ3番」のキレっぷりが印象に残った「フィデリオ」、人生初のSuche Karteをした「イル・トロヴァトーレ」、ザルツで見たオペラはどれも思い出深いものとなりました。

     IMG_8514.JPG
来年はCSO、ケルビーニ管、そしてウィーン国立歌劇との3回の来日を控えるムーティ様、ベルリンフィル、マリインスキー歌劇場の「エフゲニー・オネーギン」を楽しみにしています。遠征もどこかで考えたいのですが…。そう言えば昨年の記事で「来年は聖地訪問が目標」と書いておいたら、なんとシカゴとザルツブルク行きが叶ってしまったのでした。来年も素晴らしい公演にめぐり逢えますように。

画像は今年もわたしと一緒にあちこち飛び回った愛用オペラグラスと、それに付けたザルツブルクで買ったストラップ。これが昨日の東京ドームのライブでも大変役立ちました… 
2015.12.28 Monday 01:20 | - | trackbacks(0) | Music | このエントリーを含むはてなブックマーク|

マリア・ジョアン・ピリス アントニオ・メネセス デュオ・リサイタル2015

     meneses.jpg   
ピリスさん、メネセスさんそれぞれ単独のリサイタルは毎年聴いて来ましたが、二人揃ってのデュオ・リサイタルは2013年のヤマハホール以来。今回のプログラムはベートーヴェンがメインということでとても楽しみにしていて、みなとみらいとすみだトリフォニーと同じプログラムを2回聴いて来ました。
 
とにかくピリスさんの32番はすごかった。神がかっているとはまさにこのこと。最初の強烈な一音から引き込まれ、「この小さな身体のどこからこんなすごい音が出るんだろう」とポカンとしたまま1楽章が終わり、とてもとても美しい入りの2楽章。途中のジャジーぽい箇所はペダリングの音がガンガン響く位の迫力で楽章内の緩急を付け、再び静かなエンディングを迎えます。最後の和音はわたしには教会の鐘の音に聴こえました。そして祈りを捧げるようなピリスさんの丸まった背中。観客の静寂。何もかもが完璧な一瞬でした。
 
メネセスさんのバッハは「あぁ、バッハの時代ってこんな音を聴いていたんだろうな」と思わせる重厚かつ柔らかな旋律。暖炉の火の暖かさを感じさせる優しいバッハでした。欲を言えば前回のような小さなホールでじっくり聴きたかったな。
お二人が揃ったピアノとチェロのためのソナタ2、3番は、シャープなピリスさんのピアノと包み込むような柔らかなのメネセスさんのチェロが呼応し合い、ものすごい一体感。最初の音の入り方からして、この二人の間だけに流れる空気感と呼吸というものが感じられます。主旋律が交代で現れるところもへんに譲り合ったり主張することなんてことがあるわけもなく、どこを切っても美しい旋律を堪能しました。演奏は聴いても聴いても飽きる事がなく、このまま終わらなければいいのになぁと、すっかり陶酔した頭でぼんやりと考えておりました。
 
ピアノとチェロのリサイタルは色々なペアで聴いて来ましたが、やはりしっくり来るのがこのお二人。長年に渡る息の合ったペアならではの演奏を心ゆくまで楽しみました。次回の来日公演も今から楽しみです。(できればヤマハホールとかで…)

【演目】
ベートーヴェン ピアノとチェロのためのソナタ 第2番 ト短調 Op.5-2
ベートーヴェン ピアノソナタ 第32番 ハ短調 Op.111
J.S.バッハ 無伴奏チェロ組曲 第2番 ニ短調 BWV1008
ベートーヴェン ピアノとチェロのためのソナタ 第3番 イ短調 Op.69

アンコール
J.S.バッハ パストラーレ ヘ短調 BWV590 (11/1 みなとみらい大ホール)
ショパン チェロソナタより第3楽章 Largo (11/7 すみだトリフォニーホール)

<追記>
1. すみだトリフォニーでのお客さんの集中力は素晴らしく、この季節には珍しく演奏中の咳は皆無で、楽章間でさえ他ホールに比べると少なかったと感じました。コンビニ袋や飴の包み紙ガサガサもなし!すごいな、みんな、やればできる。

2. 今回ご縁あってピリスさんに握手して頂いたのだけど、手の小ささに驚愕!そもそも小柄で(150cmちょっと位かしら)いらっしゃって、「この身体でどうしてあの音が…!?」と今さらながらしみじみ。マスター・ヨーダもおっしゃってるように「Size doesn't matter.」ですね。
2015.11.12 Thursday 16:11 | - | trackbacks(0) | Music | このエントリーを含むはてなブックマーク|

リッカルド・ムーティ+ケルビーニ管 来日決定

 
来年1月にシカゴ交響楽団との来日が決まっているマエストロ・ムーティですが、なんとその後すぐの3月に再来日が決まりました。かねてより若手育成に力を注いでいたムーティ様が2004年に設立したオーケストラ、ルイージ・ケルボーニ・ジョヴァンニ管弦楽団との共演です。舞台は東京・春・音楽祭のオープニング公演。春祭と区別オーケストラとケルビーニ管との混合オケでの演奏だそうです。ケルビーニ管は初来日、ムーティ様に鍛えられたユースオケということで期待が高まりますね。ちなみに団員はオーディションで選ばれ、EU国籍の18~27歳の音大卒業者となっており、年々競争率も高まっているとのことです。
今回東京で演奏されるのは以下の演目です。

ヴェルディ:
 歌劇 《ナブッコ》 序曲 
 歌劇 《ナブッコ》 第1幕 より 「祭りの晴着がもみくちゃに」 
 歌劇 《アッティラ》 第1幕 より アッティラのアリアとカバレッタ
             
「ローマの前で私の魂が......あの境界の向こうで」 
 歌劇 《マクベス》 第3幕 より 舞曲 
 歌劇 《運命の力》 序曲 
 歌劇 《第一回十字軍のロンバルディア人》 第3幕 より「エルサレムへ、エルサレムへ」 

ボイト:歌劇 《メフィストフェレ》 プロローグ

■日時・会場

2016.3.16 [水] 19:00開演 東京文化会館
2016.3.17 [木] 19:00開演 東京芸術劇場
 
チケットの一般発売は11/23、先行予約受付は11/8、もうすぐですね。がんばります。
2015.11.01 Sunday 00:00 | - | trackbacks(0) | Music | このエントリーを含むはてなブックマーク|

NHK交響楽団 パーヴォ・ヤルヴィ首席指揮者就任記念 マーラー 交響曲第2番

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9月にN響首席指揮者に就任したパーヴォ・ヤルヴィさんの就任記念演奏会の演目はマーラー「復活」でした。壇上に姿を現した瞬間から大きな拍手に迎えられ、お客さんの期待の大きさがわかります。慣れ親しんだN響の演奏ですが、時々ものすごく化ける時があって(2011年のメータ指揮震災復興第九とか)この日もそんな演奏のひとつでした。
ややゆったりとした、様子を窺うかのように始まった第1楽章からあっという間の80分。その間に体験したのは巧妙に張られた伏線を読み解く楽しさと、熱さの中にもどこか知性を感じさせるパーヴォさんの統制ぶり。特に声が加わった時のホールに広がる立体感が素晴らしかったです。超弱音で始まるためソリストも合唱も座ったままで発声するのですが、これが非常に効果的で、まさに天界との扉を少しずつ開いているかの様。ここに弦が加わった時にぱーっと目の前に色彩が広がるのが感じられました。
バンダは2階後方から参加。(2階ロビーに指揮台を映しているモニターがあったのはそのためだったのですね)最初は舞台袖からかなと思いましたが、Twitterでの証言で確認。悪評高いホールですが、大きくて響きすぎる箱をうまく利用していたと思います。
N響の演奏も精度が高いのはもちろんですが、この日の演奏は3階で聴いていても音圧が感じられる迫力がありました。特に金管隊が素晴らしく歌っていたと思います。すべてのパートと合唱とソリストがひとつの光景を作り出していた素晴らしい瞬間でした。
パーヴォさんの任期は3年間とのことですが、できるだけ足を運ぼうと思います。

画像は物販コーナーにあった立て看板。そのうちサインが入るんじゃないかな。
2015.10.04 Sunday 16:19 | - | trackbacks(0) | Music | このエントリーを含むはてなブックマーク|

Wiener Philharmoniker / Riccardo Muti 8/15/2015

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ムーティ様+ウィーンフィル2日目。取った席が1列目ということでドキドキしていましたが、実際はオケピをつぶして簡易イスを並べたスペースをVIP用に誂えてあったので、実質6列目。でも一段上がった感じになっていたので、音も視界も良好でした。音は前日の方が良かったかも。

演奏前に音楽祭の理事がマイクを持って登場。すわムーティ様キャンセルか!?と一瞬緊張が走りましたが、簡単なスピーチがありました。この8月15日というのはムーティ、ムターふたりに取って特別な日であること。ちょうど30年前の同じ日にムターはカラヤンの指揮でチャイコンを演奏したということ。よって二人は今日の演奏を亡きカラヤンに捧げます、ということでした。

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二日目ともなるとGPの演奏はなりを潜め、さすがウィーンフィル!というまとまり方でした。ムターさんは相変わらずの走りっぷりだったけど、だいぶコントロールしてくれた印象。3楽章も前日よりも綺麗なフィニッシュだったし、なによりもムーティ様もソリスト任せにせず、ご自身で統制されていた感じです。わたしの座席からはコンマスのキュッヒルさんのご様子がよく見えたので、オケ(特に弦)がほとんど全員キュッヒルさんを注目する瞬間などがわかって大変面白かったです。

ムターさんのアンコールが前日に続いてありました。曲目はバッハ 無伴奏パルティータ2番「サラバンド」。(Nさん、情報ありがとうございます)
カラヤンを思い出しながらの演奏でしょうか。コンチェルトとはまた違った響きでした。

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後半のブラームス2番はGP、初日に比べて非常に理知的な落ち着いた演奏。2楽章の甘さも前日よりも控えめだったのでは?あんまり甘ったるいブラームスってちょっと雰囲気ではないので、わたしはこの位の方が好みでした。4楽章も奇をてらわないオーソドックスな演奏で、全編通して非常にバランスが取れた安心して聴ける演奏でした。うん、やっぱりこういう演奏の方が好みだな。

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終演後、ファンサービスをするムターさん。時間をかけてサインやツーショット、おしゃべりなどに応えてました。30分以上かけてたんじゃないかな。すごく気さくな感じ。

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ムーティ様は奥様が運転するアウディ(音楽祭スポンサーなので、会期中は貸与されてると思われます。会場の外にはVIP用アウディがスラリと並んで壮観でした)でそのまま帰られました。近郊の村、アニフにお住まいなので車通勤なんですね。

今度ムーティ様の指揮姿を見られるのは来年1月のシカゴ交響楽団の来日公演になりそうです。楽しみに待っております。

Großes Festspielhaus
8/15/2015 11:00~
Parterre Mitte Links
1列 1●番
2015.08.28 Friday 21:15 | - | trackbacks(0) | Music | このエントリーを含むはてなブックマーク|

WEST-EASTERN DIVAN ORCHESTRA / Daniel Barenboim

 
この日2本目はバレンボイム率いるウェスト=イースタン・ディヴァン管弦楽団の演奏を。対立するイスラエルとアラブ諸国の若者で編成されたユースオケです。
プログラムは春にシカゴで聴いたベートーヴェン トリプルコンチェルトとシェーンベルク 交響詩「ペレアスとメリザンド」。正直あまりピンと来ない演奏だったのですが、ソリストのGuy Braunstein(Vn)は素晴らしかったです。三重奏で一番「おぉ」と思ったのが彼。正直バレンボイムのピアノより聴かせてたと思います。彼が弾く旋律だけがくっきりと輪郭を持って浮き上がる感じ。しかし全体的にはあまり印象に残らない、いわゆる「つまらない場合のベートヴェン トリプル」の典型になってしまった感は否めませんでした。


というわけで、祝祭大劇場の2階中段端の感想などを代わりに。今回一番高台に座ったのがこの時でしたが、音響は遜色なかったです。端の割にはバランスもまぁまぁで聞こえて来たと思います。が、さすがに演目のせいなのか、周りの観客のマナーが悪かった…。「音楽祭やってるし、これなら買えるから入ってみるー?」的な家族連れが多く、終始ガサガサという音やヒソヒソ声が気になりました。悪い時には悪いことが重なるものです。
というわけで早々に引き上げて、夜に備える事にしました。

Großes Festspielhaus
8/14/2015 15:30~
Rang Links
14列 1番

2015.08.26 Wednesday 20:57 | - | trackbacks(0) | Music | このエントリーを含むはてなブックマーク|

Wiener Philharmoniker / Riccardo Muti 8/14/2015

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リッカルド・ムーティ指揮、ウィーンフィルの演奏会の初日です。前日のGPで色々気になった所がどうなるのか、ワクワクしながら会場入り。

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この日の席は平土間最後列、眺めはこんな感じ。ステージまでの距離があり、2階部分が覆い被さる位置でしたが、意外に音のバランスは良かったです。2日目の平土間前方席より集中して聴けました。

プログラムは前半がソリストにアンネ=ゾフィー・ムターを迎えてのチャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲、後半がブラームス交響曲第2番。どちらも定番中の定番、しかもムーティ様とムターのコンビと言うことで、こちらのチケットもなかなか入手困難でした。

さてチャイコン、最後まで聴くとGPよりずっとまとまったなーという印象。ムターさんの独特なアゴーギクは1楽章から全開。オケの並走ぶりもムターさんの爆速3楽章でも乱れずさすがの完璧さで持って行きました。すごいなーとただただ感服。
わたしはおなじみの1楽章の主題部分では(個人的に思い入れもあって)ちょっと涙ぐんでしまったし、「祝祭大劇場でムーティ様指揮のウィーンフィルを聴いている」という事実だけでかなり舞い上がっていたのも事実。あまり客観的に音楽を聴けなかったけど、問答無用の迫力と言う物がたしかにありました。

後半のブラ2、こちらはムーティ様の新解釈(特に2楽章)という話を聴いていましたが、思ったよりも甘すぎず、むしろ楽譜に忠実で素人耳にも旋律が良くわかる音作りだと思いました。4楽章はスピーディーでこちらは定石通りと言うべきでしょうか。
ムーティ様の指揮はチャイコンの時はほとんどソリスト任せ、ブラ2ではその分ご自身の解釈で、というのが目でも耳でも明らかでした。左振り抜きフィニッシュも出たし、指揮台ジャンプも何度か見られ、「ムーティ様の指揮を見ました!」という満足感で一杯な一日目でした。

余談ですが、チャイコン1楽章終わりで楽章間拍手が出ちゃいました。ザルツブルクでもこんななんですねぇ…

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もらった花束をキュッヒルさんに渡すムターさんの図。

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ブラ2終演後のムーティ様。やっぱりちょっと遠い…。

Großes Festspielhaus
8/14/2015 11:00~
Oarterre Rechts
27列 4●番
2015.08.25 Tuesday 20:26 | - | trackbacks(0) | Music | このエントリーを含むはてなブックマーク|

Fördererprobe - Wiener Philharmonikern

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2日目はウィーンフィルのパトロン、スポンサー、関係者向け公開リハーサルへ参加。今回大変お世話になったウィーン在住の友人夫妻にお声がけいただきました。ご夫妻とランチをご一緒してから会場の祝祭大劇場へ。初めて足を踏み入れたのがプローベという運の良さ!
リハーサルなので1階部分が自由席となります。14時開演、13時半開場だったのですが、13:20頃ホールに到着するとすでに行列。さすがのムーティ様+ムター女史人気です。

上画像の位置に座席を確保して鑑賞。ここのホールはどこに座っても見晴らしも音響もいいですね。

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プローベなのでウィーンフィルの皆さんももちろん私服。ムーティ様もムターさんも私服。ムターさんは写真がないけど、赤い刺繍の入った白いゆったりしたエスニック調ブラウスに白いスキニーなパンツ、赤いバレエシューズでした。バカンスのマダム、って感じで素敵。

前半はムターさんとのチャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲。友人に事前に話を色々聞いていたのですが、まー、速い事速い事!最近の流行りとは言え、こんな爆速のチャイコンは初めて聞きました。冒頭もこれまた今まで聴いた事のない程超弱音pp、続いて始まるVnは「えっっ?」と目を見開く程の速さ。そしてものすごいアゴーギクと装飾音のオンパレードのやりたい放題!さすがにオケも苦笑してるのが見えました。ドキドキしながら聴いてるうちに、あの主題部分がオケだけによって演奏され、やっとホッとできる感じに。(それにしてもあのカデンツァは誰のだったんだろう?)
3楽章はさらにさらに速度が増し、さすがのムーティ様が途中2回ほどストップさせるほど。(午前のプローベでムーティ様は3楽章に入る時「Fasten your seatbelt」とおっしゃったそうです)
ウィーンフィルが演奏崩壊する寸前なんて姿は初めて見ました。あー、ビックリした。これで本番どうなるんだろう、と心配になるやら楽しみになるやら…。

休憩はさんで後半はブラームス 交響曲第2番。こちらは安定の美しい演奏で、特に2楽章はムーティ様新解釈のロマンティックな美しさが際立ちました。4楽章も推進力に満ちた爽快な演奏でした。

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終演後のムーティ様はひと言ふた言オケに何か言い残し、客席にチャオチャオと手を振って退場。本番は翌日から3日間。わたしはそのうち2回聴きに行く予定です。翌日からの本番にワクワクしながら、取りあえず昼の部終了です。

Großes Festspielhaus
8/13/2015 14:00~
Parterre Links
15列 12番(自由席)


2015.08.23 Sunday 14:55 | - | trackbacks(0) | Music | このエントリーを含むはてなブックマーク|

「冬の旅」ヨナス・カウフマン ジャパンツアー2015

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オペラファンならお目当ての歌手のキャンセルを食らって涙を飲むなんてことは日常茶飯事で、それにしてもわたしはこの方には3回もそれを食らっているのです。今度こそ…!というわけで、大阪シンフォニーホールで聴いて来ました、ヨナス・カウフマン「冬の旅」。

わたしが中学生の頃から耳に馴染んでいるのはフィッシャー=ディースカウの歌ったもの。バリトン歌手の「冬の旅」とテノールでは見える情景が全然違いました。これはカウフマンの容姿や個性によるものもあると思いますが、彼の「冬の旅」は単なる失恋の恨み節ではなく、旅の途中の若者の心の痛みと動き、と言った印象。決して立ち止まることなく、淡々と歩き続ける若者の姿が想像できました。ピアノのドイチェ氏も終始一貫して「旅」を奏でていて、1時間ほどこの若者の旅に同行させてもらったよう。
各曲における表現も「なるほど」と納得する箇所が多かったです。たとえば「郵便馬車」では自嘲気味に「彼女から手紙なんて来るわけないよ」と唇の端をちょっとだけ上げ、自嘲気味な笑顔を見せたり。「氷結」はものすごく響いて来た曲。絶望とか哀しみとか怒り、すべてが激しいピアノと共にこちらに迫って来ました。「春の夢」は明るい調性の裏に隠された切なさやら儚さが表情に見え隠れして、聴いててだんだんと悲しくなってくるんですよね。
最後の「辻音楽師」では一点じっと見つめ、そこから目を逸らさずに歌い終えました。終始観客に想像の余地を与えながらも、自分の世界観に引き込むリートの奥深さを体験しました。

わたしにとっては生で初めて聴いたカウフマンの声は想像以上に深くパワフルで、やはりこの声でオペラを聴きたい!と思わせるものでした。そして「ドイツ語かくあるべき」的な発音や発声を間近で見られたのも良かった。色々な意味で大変勉強になりました。
1時間ほどのリートであの世界観を表現したカウフマン、近いうちに絶対どこかでオペラを見に行こう。

2015.6.4(木)
大阪 ザ・シンフォニーホール
1階 A列 左ブロック
2015.06.05 Friday 20:34 | - | trackbacks(0) | Music | このエントリーを含むはてなブックマーク|