<< July 2018 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
SELECTED ENTRIES
CATEGORIES
ARCHIVES
RECENT TRACKBACK
SEARCH
free counters
<< 「ブルージャスミン」 | main | 「ルビージャックス」六本木一丁目 >>

「HHhH (プラハ、1942年)」

縁あって手元に来たこの本は、今まで読んだどの小説にもなかった種類で、世の中にはわたしの知らないジャンルの書籍がまだまだたくさんあるのだな、とドキドキしながら読み進めました。
主軸となるのはナチスドイツのユダヤ人大量虐殺の首謀者ハイドリヒ暗殺計画を決行した二人の若者のドキュメンタリーなのだけど、この小説がちょっと違うのは著者であるビネが、執筆状況とストーリーを同時進行させているということ。過去にも「ノンフィクション・ノベル」というジャンル(カポーティの「冷血」が代表的ですね)は多々あったけど、作品中に著者やその友人、取材風景なども織り込んで話を進める手法は画期的。
それでいて表現はどこまでも美しくかつ残酷で、舞台となった戦時中のプラハの空気感もきちんと伝わって来ました。特に最終章、暗殺作戦を決行すべくイギリスからフランスに向かう貨客船のデッキに佇む二人、そこに一緒に著者のビネがいる、というくだりには胸をぐっと掴まれる気がしました。ビネはこの作品を書く事によって間違いなく二人と同じ時間を生きた。そしてわたしもこの小説を読む事によって追体験をした気持ちになれました。小説の可能性というものを教えてくれた一冊。おすすめです。
2014.06.23 Monday 23:22 | - | trackbacks(0) | Books | このエントリーを含むはてなブックマーク|