
デヴィッド・フィンチャーは隠しておきたい人間の醜い部分をさらけ出すことに長けた表現が出来る監督だな、と改めて思った作品。何を書いてもネタばれになるので詳しくは触れられないけど、人気ミステリーの映像化として成功を収めた鍵は行方不明妻エイミーを演じたロザムンド・パイクにあると思います。ほとんど無名に近い女優を起用したことによって、観客は全く先入観を持たずにストーリーに没入できるというわけ。ベン・アフレックと言えばその昔「全米母親が選ぶ『息子とルームメイトになって欲しいセレブ』『娘と結婚して欲しいセレブ』」に選ばれましたが、この輝かしい(?)栄光がここで発揮できるとは!と思うようなキャラクター。一時期の低迷が嘘の様に蘇りましたね。主演がこの二人じゃなかったら、ここまで濃密な作品にはならなかったと思います。
終映後、場内の灯が付いて席を立つと目に入るのが、周りのご夫婦やカップルのなんとも気まずい雰囲気。そんな映画でした。年内に見られて良かった。強力にオススメです。