<< September 2017 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>
SELECTED ENTRIES
CATEGORIES
ARCHIVES
RECENT TRACKBACK
SEARCH
free counters
<< 「鳥獣戯画− 京都 高山寺の至宝−」 | main | 「ヘレン・シャルフベック展」 >>

「冬の旅」ヨナス・カウフマン ジャパンツアー2015

jk.jpg
オペラファンならお目当ての歌手のキャンセルを食らって涙を飲むなんてことは日常茶飯事で、それにしてもわたしはこの方には3回もそれを食らっているのです。今度こそ…!というわけで、大阪シンフォニーホールで聴いて来ました、ヨナス・カウフマン「冬の旅」。

わたしが中学生の頃から耳に馴染んでいるのはフィッシャー=ディースカウの歌ったもの。バリトン歌手の「冬の旅」とテノールでは見える情景が全然違いました。これはカウフマンの容姿や個性によるものもあると思いますが、彼の「冬の旅」は単なる失恋の恨み節ではなく、旅の途中の若者の心の痛みと動き、と言った印象。決して立ち止まることなく、淡々と歩き続ける若者の姿が想像できました。ピアノのドイチェ氏も終始一貫して「旅」を奏でていて、1時間ほどこの若者の旅に同行させてもらったよう。
各曲における表現も「なるほど」と納得する箇所が多かったです。たとえば「郵便馬車」では自嘲気味に「彼女から手紙なんて来るわけないよ」と唇の端をちょっとだけ上げ、自嘲気味な笑顔を見せたり。「氷結」はものすごく響いて来た曲。絶望とか哀しみとか怒り、すべてが激しいピアノと共にこちらに迫って来ました。「春の夢」は明るい調性の裏に隠された切なさやら儚さが表情に見え隠れして、聴いててだんだんと悲しくなってくるんですよね。
最後の「辻音楽師」では一点じっと見つめ、そこから目を逸らさずに歌い終えました。終始観客に想像の余地を与えながらも、自分の世界観に引き込むリートの奥深さを体験しました。

わたしにとっては生で初めて聴いたカウフマンの声は想像以上に深くパワフルで、やはりこの声でオペラを聴きたい!と思わせるものでした。そして「ドイツ語かくあるべき」的な発音や発声を間近で見られたのも良かった。色々な意味で大変勉強になりました。
1時間ほどのリートであの世界観を表現したカウフマン、近いうちに絶対どこかでオペラを見に行こう。

2015.6.4(木)
大阪 ザ・シンフォニーホール
1階 A列 左ブロック
2015.06.05 Friday 20:34 | - | trackbacks(0) | Music | このエントリーを含むはてなブックマーク|