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マリア・ジョアン・ピリス アントニオ・メネセス デュオ・リサイタル2015

     meneses.jpg   
ピリスさん、メネセスさんそれぞれ単独のリサイタルは毎年聴いて来ましたが、二人揃ってのデュオ・リサイタルは2013年のヤマハホール以来。今回のプログラムはベートーヴェンがメインということでとても楽しみにしていて、みなとみらいとすみだトリフォニーと同じプログラムを2回聴いて来ました。
 
とにかくピリスさんの32番はすごかった。神がかっているとはまさにこのこと。最初の強烈な一音から引き込まれ、「この小さな身体のどこからこんなすごい音が出るんだろう」とポカンとしたまま1楽章が終わり、とてもとても美しい入りの2楽章。途中のジャジーぽい箇所はペダリングの音がガンガン響く位の迫力で楽章内の緩急を付け、再び静かなエンディングを迎えます。最後の和音はわたしには教会の鐘の音に聴こえました。そして祈りを捧げるようなピリスさんの丸まった背中。観客の静寂。何もかもが完璧な一瞬でした。
 
メネセスさんのバッハは「あぁ、バッハの時代ってこんな音を聴いていたんだろうな」と思わせる重厚かつ柔らかな旋律。暖炉の火の暖かさを感じさせる優しいバッハでした。欲を言えば前回のような小さなホールでじっくり聴きたかったな。
お二人が揃ったピアノとチェロのためのソナタ2、3番は、シャープなピリスさんのピアノと包み込むような柔らかなのメネセスさんのチェロが呼応し合い、ものすごい一体感。最初の音の入り方からして、この二人の間だけに流れる空気感と呼吸というものが感じられます。主旋律が交代で現れるところもへんに譲り合ったり主張することなんてことがあるわけもなく、どこを切っても美しい旋律を堪能しました。演奏は聴いても聴いても飽きる事がなく、このまま終わらなければいいのになぁと、すっかり陶酔した頭でぼんやりと考えておりました。
 
ピアノとチェロのリサイタルは色々なペアで聴いて来ましたが、やはりしっくり来るのがこのお二人。長年に渡る息の合ったペアならではの演奏を心ゆくまで楽しみました。次回の来日公演も今から楽しみです。(できればヤマハホールとかで…)

【演目】
ベートーヴェン ピアノとチェロのためのソナタ 第2番 ト短調 Op.5-2
ベートーヴェン ピアノソナタ 第32番 ハ短調 Op.111
J.S.バッハ 無伴奏チェロ組曲 第2番 ニ短調 BWV1008
ベートーヴェン ピアノとチェロのためのソナタ 第3番 イ短調 Op.69

アンコール
J.S.バッハ パストラーレ ヘ短調 BWV590 (11/1 みなとみらい大ホール)
ショパン チェロソナタより第3楽章 Largo (11/7 すみだトリフォニーホール)

<追記>
1. すみだトリフォニーでのお客さんの集中力は素晴らしく、この季節には珍しく演奏中の咳は皆無で、楽章間でさえ他ホールに比べると少なかったと感じました。コンビニ袋や飴の包み紙ガサガサもなし!すごいな、みんな、やればできる。

2. 今回ご縁あってピリスさんに握手して頂いたのだけど、手の小ささに驚愕!そもそも小柄で(150cmちょっと位かしら)いらっしゃって、「この身体でどうしてあの音が…!?」と今さらながらしみじみ。マスター・ヨーダもおっしゃってるように「Size doesn't matter.」ですね。
2015.11.12 Thursday 16:11 | - | trackbacks(0) | Music | このエントリーを含むはてなブックマーク|