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山口晃 アーティストトーク「全部見てはいけないルーヴル サニーサイドに気をつけろ!」

今年最初の山口晃さんのトークショーはDNPミュージアムで行われた「全部見てはいけないルーヴル サニーサイドに気をつけろ!」でした。
訪れてみると想像以上に巨大なルーヴル美術館。やっとたどり着いた「モナ・リザ」や「ミロのヴィーナス」などのスター作品の前にはいつも人だかりでいっぱい。どこまでも続くかと思える回廊、悠久の歴史に裏打ちされたコレクションは、まさに見る人を圧倒します。でも、ルーヴルの楽しみ方はそれだけではありません。そこに収められている作品はもちろんですが、建築、装飾、カフェ、レストラン、ショップ、そしてそこを訪れる世界中の人たちとそこで働く数多くのスタッフ。現代日本を代表する稀代のアーティスト山口晃氏が、タテに、ナナメに、変化球の視線でルーヴルの思わぬ楽しみ方を語ります。

4月にパリ行きを計画しているわたしの為の企画ですね♪と勝手に思い込み、メモを取りながら拝聴してきました。山口さんのトークショーは一昨年から全出席状態なのですが、この日のトークはベスト3に入るほど内容の濃いものでした。山口さん的に気になる10点をスライドを見せながら解説、というオーソドックスな方法ながらも、そこはやはり山口さん。クスリと笑わせるさすがの(しかもちゃんとオチてる!)話術で楽しませてくれました。以下は山口さんの作品解説です。
1マリアの七つの喜びの祭壇画」1480年頃
人物の大きさがバラバラ。作家の興味のあるものは大きく、ないものは適当に小さく描き散らかす。実景よりも実感重視。



2アンリ・ベルジョーズ「聖ドニの殉教」1416年頃
死体の見せ方が…。日本では死体を見せることに違和感があるが、西洋では普通に描写。滴り落ちる血の描写がなんとも…。


3ヤン・ファン・エイク「宰相ロランと聖母」1435年
下絵に水彩を用いています。その上から油彩をかける。白っぽく見える空が実は一番絵具が厚塗り。


4ボッティチェリ「若い婦人に贈り物をするビーナスと三美人」1483年
未完成の作品が多いフレスコ画。なので「いい作品はフィレンツェにあります」(笑)
「ストラッポ」というフレスコ画をにかわと蒸気を使って移動する方法があるそうです。初めて聞きました。


5レオナルド・ダヴィンチ「モナ・リザ」(ジョコンダ)1503−06年
「これはイミテーションです」と断言。「世界中から来た観光客がこの絵の前でフラッシュをバシャバシャたいて撮っていても、警備員は全然注意しません。怪しいです。そう思ってみるとやけに黄色っぽく見えます」…なのであまりがんばって見なくてもいいそうです。よく見ると肌のヒビ割れはキメがそろっているそうですよ。


6ニコラ・プッサン「夏あるいはルツとボアズ」1660−4年
ルーブルにある絵にはレベルに差がある…というお話。この絵は特にユルい!


7フェルメール「レースを編む女
フェルメールはこの時代のオランダでは他に類型がない作家。光の粒を多用し、光の捉え方がとても映像的。絵全体に漂う儚さが絶妙。彼の作品は小品が多いけれど、絵具の効果が大きいのは実は小品。


8キリスト降架」13世紀中頃
彩色された彫刻は古い教会なんぞで見たら恐ろしい。メキシコにあった極彩色のキリスト像はスゴかったそうです。(わたしも実際見ましたがショッキングピンクの衣をまとい、エメラルドグリーンのアイラインをひいたマリアさまがいました。)


9ダヴィッド「皇帝ナポレオンと皇后ジョセフィーヌの戴冠」1806-7年
なにしろ大きいサイズ。でも近くで見るとガサガサでヘロヘロ(笑)薄塗り一層で描いているそうです。中央にいる主人公以外はガサガサな筆致。「ダヴィッド本人は『歴史を切り取って自分が描く、それが数世紀先まで残される』という思いで画家冥利につきたことでしょう。」


10ターナー「小川と湾の遠景」1845年
描いたターナーもターナーだけど、これを面白がった英国人って??


以上メモ書きからおこしたので、4月のルーブル訪問時の自分メモとして活用したいと思います。タイトルの「サニーサイドに気をつけろ!」はルーブル館内のカフェでのこと。ギャルソンがにこやかに「Sunny side?」と聞くので、並ぶのもいやだったのでそのまま席に案内してもらうと、カンカン照りのテラス席だったそうです。隣のテーブルの日陰に身を乗り出してやり過ごし、非常に大変な思いをした、と。館内のカフェやレストランのお話も少々。「行ってはいけない」店の名前も出ました。これもしっかりメモ。11最後の質疑応答で同行した友人が「先ほどルーブル内で奥さまとケンカしたとおっしゃってましたが、原因は何でしょうか?」とナイスな質問。「たしか『カフェでのゴハンがマズかった』とか、そういうことだったと思います」だそうです。ありがちですね。「ご自分の絵をルーブルに飾るとしたらどの作品にしますか?」の質問には「今イヤな汗をかきました(笑)贋作を描いて本物の横に並べますね」とのこと。たしかにおもしろそうです。見てみたい。
今年は12月に京都の大山崎山荘美術館での個展を予定されてますが、新作中心で行くそうです!楽しみですね。公共広告機構の「江戸しぐさ」も続編が登場。地下鉄「西早稲田駅」にも山口さんデザインのステンドグラスがお目見えするそうです。今年も大活躍ですね。

2008.01.14 Monday 00:06 | - | trackbacks(1) | 山口晃 | このエントリーを含むはてなブックマーク|
山口晃『全部見てはいけないルーヴル サニーサイドに気をつけろ!』
ルーヴル - DNP ミュージアムラボで開催された、アーティストトーク:山口晃『全部見てはいけないルーヴル サニーサイドに気をつけろ!』に行って来ました。 「真面目なルーヴル美術館についての話を聞けると思っていらしている方はまさかいないかと思いますが・
| 弐代目・青い日記帳  | 2008/01/14 10:24 AM |