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「ハンマースホイ展」
冷たい雨の降る月曜日、「ヴィルヘルム・ハンマースホイ展」内覧会のご招待に与り出席させていただきました。ハンマースホイという画家を知ったのは恥ずかしながら昨年の「オルセー美術館展」でのこと。この時に出展されていた「室内、ストランゲーデ30番地」が非常に印象深く、この展覧会で個人的にナンバー1とした作品でした。今年の春に訪れたロンドンとパリでもそれぞれ鑑賞。遠くから見ても一目でそれとわかる独特な温度感が魅力です。そんなハンマースホイの作品が西洋美術館に90点が終結。非常に見応えのある素晴らしい展覧会となりました。会場は6部に分かれており、観る側が理解しやすい構成となっていました。
<1. ある芸術家の誕生>初めてハンマースホイが注目された「若い女性の肖像、画家の妹アナ・ハンマースホイ」、初期の作品ながらもこの先この作家が描いて行く世界観がすでに完成されています。妻となる「イーダ・イルステズの肖像」は表情はともかく、左手の色にちょっとびっくり。真っ青で血の気がまったくない様に描かれています。何を意図していたのか謎です。 <2. 建築と風景>この人の描く風景画は正直あまりおもしろくないのですが、建築物は色々な意味で楽しめました。画像は「クレスチャンボー宮殿、晩秋」ですが、彼は建物以外余分なものは一切排除しています。ここは人が集まる観光地とのことですが、人影まったくなし。空にも雲なし、と徹底しています。表現したいものだけにフォーカスして、時にはキャンバスをトリミングするといった手法は現在で言う所の「フォトショップ職人」ですね。 <3. 肖像>「イーダ・ハンマースホイの肖像」これ、画像だとそうでもないのですが、実物は「Wicked」(ミュージカル)の緑の魔女を彷彿させる程の緑色です。人間の肌色としてありえない。病的で疲れ果てた妻の姿を容赦なく描き残しました。これは見ていてちょとつらかったけど非常に記憶に残る絵です。 <4. 人のいる室内>このセクションがハンマースホイの真骨頂と言えるでしょう。「ストランゲーゼ30番地」の自宅で妻イーダの後ろ姿を描いた一連の作品は場所、家具、ドアの開閉を少しずつ変えて描かれています。中にはテーブルの足が足りなかったり影の付き方が不思議なものがあり、これがまた想像力をかき立てられ時間が経つのを忘れて眺めてしまいます。「背を向けた若い女性のいる室内」で左側に置かれているのはロイヤル・コペンハーゲンのパンチボウル。これは他の作品にもたびたび登場する印象的なハンマースホイ家の調度品です。 <5. 誰もいない室内>「4」から人物を除いた作品がこのセクション。すでに見慣れた室内だけが描かれています。家具、調度品は最小限。おなじみのコペンハーゲンのボウルとイーゼルくらいでしょう。「白い扉、あるいは開いた扉」は白い扉が延々と開かれている絵。一番奥の部屋からは一筋の光明が見え、手前の床板には染みを見ることが出来ます。家具はないのに不思議な生活感。 ハンマースホイはよく「北欧のフェルメール」と例えられますが、たしかに左側から光が入り、テーブル、ピアノ、カーテンといった調度品+人物という構図には共通するものも見られました。しかし絶対的に違うのはハンマースホイの徹底したミニマムさ。自分の視界に入れたくないもの、または不必要と感じたものは現存していても完全に排除する潔さ。それでいて人の存在感や生活感がないかといえばその逆で、たとえ人物が描かれていなくてもついさっきまで人がいた様な空気感がただよう不思議な雰囲気です。色調も黒、白、グレー(時に紺)だけという印象で、90点もの作品を一気に見ても眼にも精神的にも疲れを感じる事はありませんでした。わたしには非常に波長が合うようです。展覧会のタイトルにある「静かなる詩情」という言葉がピッタリな素晴らしい展示でした。今年のベスト3入り確実です。ぜひ足を運んでみて下さい。Highly+Strongly recommendな展覧会です。 Trackback
Takさんに誘われて内覧会に行ってきた。写真撮影は許可をえたので自由に撮らせていただいた。 ハンマースホイはデンマークの室内画家であり、2年前に訪れたストックホルムのティールスカ・ギャレリーや国立美術館で見たことがあり、最近東美で開かれたオルセー美
| Art & Bell by Tora | 2008/09/30 9:26 AM |
明日から国立西洋美術館で開催される
「ヴィルヘルム・ハンマースホイ 静かなる詩情」展のプレスプレビューにお邪魔させて頂きました。
ロイヤル・アカデミー・オブ・アーツ、ロンドン(Royal Academy of Arts)で今年の夏に開催された展覧会がグレードアップし
| 弐代目・青い日記帳 | 2008/09/30 11:01 AM |
上野の国立西洋美術館で「ヴィルヘルム・ハンマースホイ -静かなる詩情-」展が...
| 柏をたのしむ@水上デザインオフィス | 2008/09/30 7:47 PM |
国立西洋美術館(台東区上野公園7-7)
「ヴィルヘルム・ハンマースホイ - 静かなる詩情 - 」
9/30-12/7(会期終了)
秋の上野を飾った大型展もまた一つ幕を閉じています。西洋美術館での「ヴィルヘルム・ハンマースホイ - 静かなる詩情 - 」へ行ってきました。
構成
| はろるど・わーど | 2008/12/08 10:02 PM |
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