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2017.06.04 Sunday  | - | - | - | このエントリーを含むはてなブックマーク|

英国ロイヤル・オペラ「ドン・ジョヴァンニ」

ザルツブルクから帰国後、一本目のオペラは英国ロイヤルオペラの来日公演「ドン・ジョヴァンニ」でした。この演目は今年の3月にMETでマッテイ&ピサローニという個人的黄金コンビを見ていたので、ハードルがをかなり上げてしまっていたのですが、それを抜きにしても複雑な思いが残りました。

舞台は最近流行のドールハウス風のセット(ROHはキューブ状セットを組んでおり、かなり簡素)にこれまた流行のプロジェクション・マッピングを組み合わせると言うもの。
オープニングの映像はDGが関係を持ったと思われる女性の名前を延々と映し出す、というのはユニークでいいと思ったのだけど、基本これだけでした。この投影の繰り返し。東京で見る凝ったプロジェクション・マッピングに慣れていると、かなり物足りなく感じました。必要以上にカラフルにする必要はないのだけど、モノトーンでワンパターンな印象です。しかし「シャンパンアリア」でのグルグル回す映像は効果的。わたしは軽く三半規管をやられた感覚に陥りましたが、曲の内容からしてこれは成功だったのかも。

タイトルロールのダルカンジェロ、他の演目でも見ていたしDGも映像ではさんざん聴いていたけど、さすがにこれははまり役。ハンサムでセクシーなイタリア男という点では、現在右に出る人はいないのでは。METのマッテイもかなりいいセン行ってたけど、イタリア人が演じるDGというのはやはり重みが違いますね。
レポレッロ役のエスポージトは初めて聴きましたが、お芝居も歌も「これぞレポレッロ!ただしROHでね」という感想。侍従としての雰囲気は充分ですが、わたしはレポレッロはDGとそこそこ対等な雰囲気を持つ歌手の方がやっぱり好み。タイプが全然違うので比べるべきではないけれど、やはりピサローニさんのレポレッロが見たいなぁ…としみじみしてしまいました。

ドンナ・エルヴィーラ役のディドナートさん。この公演は正直彼女目当てに買いました。彼女ならきっと面白いエルヴィーラを見せてくれるはず!と。しかしこの演出のエルヴィーラは自分を捨てた男に必死に追いすがるさみしい女性という設定でした。なので、ディドナートさんのキャラがイマイチ生かされてない感は否めず。ひたすら真面目にDGを恨みながらも思い続ける、という雰囲気にちょっと違和感がありました。それでも歌唱はさすが。あの響きの悪いホールでもがんばって聴かせてくれました。

ドン・オッターヴィオ役のヴィヤソン、4年前のMET来日公演で聴いた以来なんですが、残念な感じでしたね。あのアリアもいっぱいいっぱいで、聴いているこっちがハラハラしました。仕方がないにしてもちょっとさみしい。

パッパーノの指揮について少々。序曲はハエが止まるんじゃないかと思う程のゆっくりしたテンポでびっくり。その後はあまり気にならなくなりました。アリアになるとまたかなりテンポを落としたのは、これはじっくりと歌わせ、聴かせるためだと思います。歌手もかなり丁寧に表現していました。ROHオケは素晴らしいですね。弦は特に豊潤。土曜の演奏会が楽しみです。

演出そのものは悪くないと思いますが、最後のひとり残されしょんぼりしたDGは見たくなかったな。今回はラストをいわゆる「ウィーン再演版」(地獄落ちの後、6人が出て来るが最初が省かれている)を使っていました。わたしが今まで鑑賞していたのはノーカットで全員が歌うバージョンだったので、「あれ?」と肩すかしを喰らった感じ。それも6人が両サイドからDGを糾弾するように「これが悪人の最後」と歌います。けっこう好きな最後のシーン(レポレッロが「仕事探さなきゃ」とかエルヴィーラが「修道院にでも行くわ」と今後のプランを歌う所)が飛ばされてしまったのでちょっと消化不良…。耳慣れた版と違うってこんなに違和感を感じるものなのね。刷り込みって怖いわーと思った夜でした。

NHKホール
9/13/2015 15:00~
3階 R1列 
2015.09.18 Friday 12:53 | - | trackbacks(0) | Opera | このエントリーを含むはてなブックマーク|

OS51便で帰国

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リクエストが多かったので、復路に乗ったオーストリア航空の画像で締めくくり。これはザルツブルク空港からウィーンまで乗った小さい機材。ボンバルディアQ400だったかな。プロペラ機で、振動がお尻に響くしうるさい。かなり低空で飛ぶので、遊覧飛行的な楽しさは味わえたけど。
ウィーン空港での乗継ぎ時間が1時間ちょっとしかなくドキドキでしたが、無事に定刻運行、空港で買い物する時間もありました。
成田まではこちらのボーイング777-200ER、前から1-2-1-…という並びなので、ソロシートだと両脇にかなり余裕が。

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窓までこんなに距離があります。

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ただヘッドレストが意外に低いので、ANAのような個室感はあまりないかも。

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連れがいる時はこの方がいいかもしれませんね。

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両側に大きなポケットが。メッシュのはペットボトル入れ。ディスプレイも大きい。もちろんタッチパネル式。

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コントローラーも他社で見た事がないスマートなタイプ。センサーになってるので、ぐっと押したりしなくてもスルスル動いてくれます。

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OSと言えば三角形の食器。これは結構合理的なのかも。

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機内食で温かいスープが出されるのってすごくうれしい。これはカボチャとジンジャーのスープ。面白い組み合わせだけど、美味しかった。

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メインはラタトゥイユのリガトーニ。ルッコラとチーズが新鮮。量もちょうどいいですね。

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デザートのストロベリー・シュトゥルデル。リンゴじゃないのは初めて食べたかも。(リンゴの方が好みでした)

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OSと言えば食後のコーヒーのメニューが豊富なのが有名。コーヒーのメニューだけが配られ、この中から好きな物を注文します。

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10種類ものメニューからわたしが選んだのはマリア・テレジア、オレンジリキュールの入ったコーヒーです。大きなマグになみなみと注いでくれたので「他の種類のコーヒーはいかが?」と聞かれても無理でした。残念。

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可愛いファブリックの枕とブランケット。こんなにしっかりしたブランケットは初めてだったかも。

OSはEU圏内移動で何度か乗りましたが、長距離は初めてでした。ソロシートはやっぱり快適で、よく眠れるし、隣りに気を遣わずに過ごせるのがありがたいです。帰国日午後からさっそく仕事だったので、ゆっくり身体を休める事が出来ました。ワインの品揃えもなかなかで、特にオーストリアワインのラインアップは都内のお店でもなかなかお目にかかれないような感じでした。ドイツ、オーストリア方面からの帰国便は羽田着が多くなっているので、午前中に成田着のこの便はわたしにはとても貴重。次回のザルツブルク行きの時もこの路線が残っていますように!
2015.09.06 Sunday 15:24 | - | trackbacks(0) | 15 Salzburg | このエントリーを含むはてなブックマーク|

ザルツブルクで見てたもの

滞在中は観光らしい観光は見事にしなかったのですが、 急ぎ足で歩いてても普通に目に入る美しい景色はやはり中欧のそれ。印象に残った物をいくつか上げて楽しかったザルツブルクの夏の章はおしまいにします。

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唯一観光名所らしいスポットの馬洗い場。「サウンド・オブ・ミュージック」でも使われてましたよね。そういえば今年はこの作品の公開50周年だったそうですが、街中はイマイチ盛り上がっていなかったような…。やっぱり音楽祭シーズンですものね。
余談ですが、この信号を渡ってまっすぐ進んですぐ右側が音楽祭チケットオフィスです。

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祝祭大劇場関係者入口近くにあった像。これを入れて撮影するとなかなかフォトジェニックでした。Instagramには同じ構図の写真がたくさん。

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毎日渡ったシュターツ橋から新市街を臨むの図。

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こちらは歩道専用のマカルト橋。橋に錠前を付けたがるのは世界各国共通のようで…。

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「フィガロの結婚」ポスター。このシーンを切り取るというセンスが素晴らしい。このポスター欲しかったなー。

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ネトコさんの「イル・トロヴァトーレ」。これを撮影した時点では「あー、見たかったなー」という気持ちでした。無事に見られて本当に良かった。

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ムーティ様の演奏会形式「エルナーニ」。月末2日間だけだったので、日程が合わず残念。東京で待ってます!

短いながらも充実したザルツブルクで過ごした夏休み。皆さんが夏の欧州の音楽祭にハマるわけがよくわかりました。また必ず戻って来たいと思います。現地でお会いした皆さん、お世話になった皆さん、楽しい夏の思い出をありがとうございました。また世界のどこかでお会いしましょう!
2015.09.05 Saturday 21:11 | - | trackbacks(0) | 15 Salzburg | このエントリーを含むはてなブックマーク|

ザルツブルクで食べたもの

文字通り駆け足だったザルツブルクの休日。忙しいながらもおいしいものはしっかりチェック。以下、美味しかったものを思い出しながら並べてみます。

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ホテルまん前にあったアイスクリーム屋さんICEZEITのチェリーアイス。チェリーに目がないので迷う事なくこちらをチョイス。美味しかった。

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スーパー「BILLA」で買ったインペリアルトルテ。オペラ前にこれを食べて出かけました。実はザッハトルテよりも好きかもしれない。大昔、今の銀座のシャネルの店鋪がカネボウのビルだった時代、1階にリプトン・ティーコーナーがありまして、そこでなぜか食べられたのです。20年も経った夏、遠いザルツブルクでそんなことを思い出しながら味わいました。

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同じくBILLAにておやつ用に買ったマンナーの新作(だそうです)ココナツ味!!チェリーとココナツに目がないので即買い。これがまた美味しい〜。普通のマンナーの半分位のサイズでチョコレートでカバーされてます。なぜもう一袋買わなかったのか、あの時のわたしに小一時間問いつめたい。

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わたしが夏に欧米に行くたびに大騒ぎする通称座布団桃。英語だとDoughnut PeachとかFlat Peachと書いてあります。日本の桃より固めで甘くてお気に入り。最初は初日に買い出しに行ったBILLAでパック入りを見つけたのだけど、数が多すぎて断念。友人に「マルクトだったら一個から買える」と教えてもらい、その足で一個だけ購入。1ユーロ弱でした。これが大当たりで、本当に美味しかったので、翌日買い足しました。

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そんなわけで翌朝からの朝ごはんはこんな感じが続きます。このヨーグルトもおいしかったです。ザルツブルク産だったようで、色んなフレーバーがありました。バニラも買いましたが、やはりチェリーが好み。

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一応名物のボスナ(ホットドッグ)の店、バルカングリルにも並んでみました。日本語メニューもあり、一律€3.5で手軽に食べられます。

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わたしはスパイス(カレー粉?)とマスタードのものを。パンがしっかり焼いてあって美味しい。座るスペースがないのでそのへんで立ったままで食べます。ちょうど朝公演とマチネの間だったので、ドレスアップして立ち食いする人多数。スナックにちょうどいい感じでした。

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今回テーブルに着いて食べた食事は3回のみ。そのうち1回がこちらのランチ。ソーセージプレートです。この街のパンのレベルは本当に素晴らしい。

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唯一食べた名物料理のグーラシュ。スライスしたバゲットの様に見えるのはダンプリングです。これも注文して失敗のない料理。美味しく頂きました。

なにしろ4日間で9演目を制覇したので、ゆっくり食事をする時間が撮れなかったのがちょっと残念。クラッチバッグにしのばせたSOYJOYを幕間にコソコソと頬張ることもありました。そう言えばカフェでケーキも一個も食べられなかった。信じられない…。次回はもうちょっと時間に余裕がありますように!

2015.09.04 Friday 20:59 | - | trackbacks(0) | 15 Salzburg | このエントリーを含むはてなブックマーク|

ザルツブルクで飲んだもの

猛暑日が続いたザルツブルク、室内でも日本のようにエアコンをガンガンとは効かせないので、ひたすら冷たい物を飲んで身体を冷やすことに勤しむ日々。やっぱりビールが安くて美味しい!カラッとした真夏の空気の中で飲むビールは酔いも回りにくく、量もたくさん飲めてしまう不思議。気分もあるんでしょうけどね。以下飲んだビール画像をアップ。

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到着日の夜、「フィガロの結婚」終演後にホテルの前のカフェにて記念すべき1杯目。

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スーパーで買っておいたレモン入りゲッサー。500mlロング缶です。これは「フィデリオ」後にお部屋で。この日はヨナスさんの出待ちに失敗してクタクタで、さすがに外で飲む気力がなかったのでした。

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ウィーンフィル終演後に現地で会ったフォロワーさんたちとランチ。ここではゲッサーの生。

     
「イル・トロヴァトーレ」終演後、ホテル1階のカフェにてひとり打ち上げ。閉店ギリギリでしたが「ビール一杯だけ飲ませて下さい〜」とお願いして入れてもらえました。ちゃんとお花までテーブルにセットしてくれた。ありがとう。(さすがにチップははずみました)

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2回目の「フィガロの結婚」マチネ後に。これ、美味しかったなー。きっと気分も高揚してたからに違いない。
ここまでビール画像。

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今回初めて飲んだもの。ひとつはおなじみRed Bull。今まで一度も飲んだ事がなかったのですが、せっかくお膝元だし…とスーパーで買ってみました。到着日の夜のオペラに備えて開演1時間前に飲み干したのですが、効きますね、これ!今後愛飲しようと思います。

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もう一つはこちら、アペロール(Aperol)です。幕間のドリンクバーや外のカフェなどでみんなが飲んでるオレンジ色の美味しそうなドリンクがずっと気になってたのですが、在墺の友人に「美味しいのよー」と教えてもらってハマった味。ハーブ系のリキュールです。白ワインと炭酸水で割って、オレンジスライスを浮かべるのが人気の飲み方。

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開演前や幕間のドリンクにピッタリ。あまりにも気に入って帰国後にボトルを買ったほど。この先もアペロールを見かけたら反射的にザルツブルクの夏を思い出しそうです。

2015.09.03 Thursday 14:43 | - | trackbacks(0) | 15 Salzburg | このエントリーを含むはてなブックマーク|

Star Inn Hotel Premium Salzburg Gablerbräu

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ザルツブルクのホテルは音楽祭シーズンはほぼ満室。わたしも前年11月のプログラム発表の際には念のために押さえておきました。もちろんこの時点では渡欧はまだ考えていません。後であたふたするよりも、キャンセルができるホテルを念のため…という考えでしたが、結果的に大正解でした。 

個人的にホテル選びで重視する点はあまり多くなく、Free Wi-fi完備で劇場から徒歩圏であれば、バスタブ、コーヒーメーカーがなくても許容範囲です。
ただ欧州のホテルはエアコンがない所が多く、ホテル検索サイトで「エアコン」を条件に入れて検索すると一気に候補数が減るほど。今年の夏のザルツブルクは毎日35℃以上と言う猛暑日が続き、夜もなかなかの熱帯夜。エアコン付きホテルを選んだわたし、本当にエライ!と自画自賛でした。

というわけで今回宿泊したのがStar Inn Premium Salzburg Gablerbräu、ドイツ、オーストリア、ハンガリーにあるチェーン系ホテルです。
橋を渡って数分の新市街にあります。周りはカフェが多く、深夜まで賑やか(と言ってもやかましいわけではなく、夜風に吹かれてビールやワインを楽しむ人が大勢)で、終演後歩いて帰って来ても問題なし。毎晩ビールを一杯楽しんでから部屋に帰れる環境です。

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お部屋はごくごくシンプル。ビジネスホテルのようなものなので、もちろん広いわけではないけど、一人なら問題なし。コーヒーメーカーはないけど冷蔵庫はありました。夏なのでいいでしょう。セーフティボックスがなかったのは正直困ったけど、貴重品はスースケースに入れて施錠して凌ぎました。

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バスタブはないけど、ものすごい水圧のハンドタイプのシャワーで満足。(わたしは元々夏はシャワーだけなのです)。ヨーロッパのホテルのご多分に漏れずコンディショナーの用意はないので持参。

このホテルは通りに面した入口(フロントの手前)のエレベーターから客室にアクセスできてしまうのがセキュリティ上ちょっと難点。ただ23時を回ると入口は施錠され、入るにはブザーを鳴らしてカメラで確認後、解錠してもらいます。ザルツブルクは比較的安全な街と言われてまし、音楽祭シーズンは深夜まで人通りが多いので、普通に注意を払えば女性一人でも問題ないかと思います。

チェックアウトの時「ステイはいかがでした?」と聞かれたので「完璧でした。来年また来るんだったらここに泊まります」と半分社交辞令的に言ったら、フロント嬢、急に真面目な顔になって「じゃ、来年の分予約しておきます?皆さんそうしてますよ」ですって。取りあえず「来年のプログラムが出たら連絡します」と言っておきましたが、リピートする可能性は充分ありですね。お値段的にもちょうどいい感じのホテルでした。
2015.09.02 Wednesday 09:12 | - | trackbacks(0) | 15 Salzburg | このエントリーを含むはてなブックマーク|

ザルツブルク音楽祭 チケット入手法 -Sucheしてみました-

人気演目のひとつ「フィデリオ」のチケットは公式サイトで無事に前日にギリギリ購入できたものの、どうしても手に入らなかったのが「イル・トロヴァトーレ」。これはもう"Suche"(「チケット譲って下さい、と会場前で紙を手にアピールすること)するしかない、と腹をくくりました。友人達からも「結構成功率は高い」と聞いていましたが、なにしろネトレプコの人気公演なので、ダメ元で!と後学のためにチャレンジしてみました。

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わたしが日本から用意して行ったSucheカードはこちら。周りのライバル達(欧州人の高齢の方が多かったです。男女比ほぼ同じ)はレポート用紙やホテルのメモをやぶってペン書きしたものを掲げていたので、これはかなり目立ったはず。これを見た人、みんな笑ってました。うん、そうでしょうね。

開演1時間前からウロウロし始めて、とあるおじさま(推定70代)に声をかけられたのが20分ほど経過した頃でした。ちょんちょんと肩をつつかれ、チケットを見せられて「こ、これはまさか!」と固まった所に、すばやくそれを察したSucheライバル達がわーわーと口々に何かを言って寄って来たのはちょっと怖かった。だってドイツ語で交渉されたら勝ち目ないですから。でもおじさまが毅然と「彼女と話してるから!」と追っ払ってくれて(多分)、ドイツ語しか話さないおじさまと英語しか話さないわたしで話し合い。と言っても、額面見せて「OK?」(定価、しかも予算内だったのでもちろん!)、2枚の並びのチケットとご自分を指差して「OK?」と「自分が隣でもいいか?」とジェスチャーで聞いて来ただけ。もちろんですとも、喜んで!と勝手に英語で返答して交渉成立。「お釣りはいいですから!」と言っても、後に席で会った時にきちんと手渡してくれたという親切な方でした。
今こうやって書いててもラッキーだったとしか言い様がないのですが、やはりSucheで声をかけられるポイントと言うのがあるそうです。友人に教わった事を以下にまとめておきます。

1. 笑顔で

殺気立った必死な形相で立っていても声はかけにくいものですしね…。

2. そのまま劇場に入れる姿で

チケットを譲る相手を捜している方は、ほとんどの場合お連れ様が来られなくなったというケース。ご本人は観劇するスタイルで来ているので「連れとして、一緒に並んで座るにふさわしい」相手の方が好ましいわけです。わたしもソワレ用の姿で挑みました。

3. Sucheカードにひと工夫

先にも書きましたが、周りは紙に手書きしたものを持った方が多かったです。一人だけフォントに凝った紙を持ってた女性を見ましたが、もうひと工夫必要な出来でした(妙齢女性なので仕方ない)。


後で友人が言ってたのが「逆の立場で考えて『どの人とだったら一緒に入りたいか』を考えればいい」という言葉。なるほど、深く納得です。
わたしは開始20分で声をかけられたラッキーな例だったと思います。幕間の休憩に外に出ると、まだSucheカードを持った方々がウロウロしていました。ここで帰る人が譲ってくれると言うこともあるそうです。
ともあれ、運がすべての方法なので、万人にお勧めできるわけではないのです。取れたらラッキー、取れなかったらそんなもんだ!と割り切る気持ちが必要です。わたしも「ダメだったらビール飲みに行こうね」と友だちと約束して、他の楽しみを取っておきました。
ダメ元で挑む位がちょうどいいのかもしれません。

やっとの思いで見た「イル・トロヴァトーレ」は期待以上の素晴らしさで、譲ってくれたおじさまには本当に感謝です。終演後はがっちり両手で握手して感謝して別れました。(翌朝、ウィーンフィル公演でバッタリ会ったのはご愛嬌)いい経験が出来ました。

2015.09.01 Tuesday 08:59 | - | trackbacks(0) | 15 Salzburg | このエントリーを含むはてなブックマーク|
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